昨年末、映画館でいきなり目の焦点が合わなくなった。
考えるに、紫外線を防がなかったこと、テレビの見過ぎ、パソコン、iPadに張り付き過ぎ。暗い中で目がジョワジョワしているところに、スクリーンの強い光がダメ出しを出したのだろう。
以前もそういうことがあったが、寝たら治った。この時も映画館で寝たが、戻らなかった。
ずっと目を休ませていたが、元に戻らない。
しようがないから眼科医院に行った。
眼球が歪んでいるとか異常はなかった。普段の生活状況を聞いてもらえず、目の疲れを癒すお薬のお話も出ず、
遠視且つ乱視 なんだと。そんなの、急に、いきなり、突然 現れるものなのか。
メガネを作った。
このメガネが恐ろしい。見上げると空が落ちてきそう。俯くと地面が斜めになってずり落ちそう。
でも、いいわ。まっすぐ前を向いていればいいんだから。
スクリーンの字幕が読めて、俳優が人間の顔をしていて、背景が混じり合っていなければ。
それで、映画。
1。エクスペンダブルズ ニューブラッド
シルベスター・スタローンのシリーズ4作目
公に出来ない世界の危機を回避するために集まった、その道のプロフェッショナル傭兵軍団の死闘。
スタローンの、リーダーのバーニーのグループはみんな年をとり、時々酒場に集まってツルんでいる。そこへあるミッションが持ち込まれる。
リビアから核兵器を盗んだ最強の武器商人とそのグループを壊滅し、核兵器を盗んだ目的とその黒幕を暴くミッション。
新リーダーの切れ味抜群の女性のもと、若い新人や東洋人のメンバーと共に、エクスパンダブルズが動き出す。
銃声、爆発の、ドドドどかーんは、毎度おなじみ。そこまでやるか、よく考えるね、と感心するくらいの戦闘シーン。
これ以上のことは考えつかないから、スタローンのこのシリーズはこれで終わりじゃないの。
次から新リーダーが活躍するシリーズが始まるんだろうけど、観ないかも〜〜。
狙撃手役のドルフ・ラングレンが一発目を外した。メガネをかけてやり直し。ハハハ、リアルだわ。
エクスペンダブルは、使い捨て、消耗品の意味。映画も時には語学の役に立つ。
こんなのより、キアヌ・リーブスのジョン・ウィックを観たかった。これも4作目で、ジョン・ウィックの闘争がやっと終わった。これまでより良いできだったそうだし、、。
2。ポトフ
19世紀末、フランスの片田舎のお屋敷で、食を追求し芸術まで高めた美食家と、彼の理想を叶えられる唯一の料理人の物語。
美食家ドダンは料理人ウージェニーに全幅の信頼を置いている。次々繰り出されるお料理は、食材の名前も、料理名も聞いたこともない。あれこれ指図しながら動き回るウージェニーの手際の良さ。
ドダンは、友人たちとよく食事会を開く。みんな、食材や料理について蘊蓄を語るが、この人たちは太らないんだろうか、と下世話なことを思いいつつ、
美味しそうで美味しそうで、、。
ある日、ウージェニーは倒れてしまう。
失意のドダンは、やがて、食材や料理人を探しに行く。ウージェニーと自分の味の交流が続くかのように、、。
監督:トラン・アン・ユン
ドダン:ブノワ・マジメル
ウージェニー:ジュリエット・ビノシェ
3。枯葉
舞台はフィンランドのヘルシンキ。孤独な男女二人が心を寄せ合う、大人の恋愛映画
高層ビルや明るい家並みが並ぶのはヘルシンキのあっち側。ペンキのはげたドアが並ぶ裏道はさびしい。
アンサは、スーパーで働き、ホラッパは工場の作業員。二人はカラオケ店で知り合い、惹かれ合うが、偶然の悪戯で次に会えないまま、気にかけながらも時が流れる。
事件も叫び声もなし、大笑いも大泣きもない、ただ日々をやり過ごす裏通りの人々の日常。
映画を見る二人
アンサにもらわれた野良犬。この犬がいいコで、演技派なんだわ。
何度もすれ違ったが、やっとホラッパはアンサの家を訪問できる時が来た。家を出たとたん、彼はトリム(路面電車)にはねられて意識不明のまま入院生活。
二人に幸せは訪れるのだろうか、、。
監督:アキ・カウリスマキ
この監督は、人々の日常を大袈裟ではなく、じんわりと描くことのできる監督で有名。しばらく休んでいたから「枯葉」は久しぶりの監督作品なのだそうだ。
アンサ:アルマ・ポウスティ
アレッポ:ユッシ・バタネン
二人とも、ヨーロッパでは有名な俳優。
フィンランドの映画はあまり見る機会がないが、この監督の映画はどれも一押しだ、と思った。
途中で挿入歌はたくさん出たが、二人の心情を表現していて、ますますこの無口な二人が好きになった。
「枯葉」は、輝いていた葉っぱもいつかは枯れる。その前に一瞬、光る時がある。シャンソンの有名な枯れ葉もそんな歌詞だったのだろうか。
調べないけど。
4。ファースト・カウ
1820年代、西部開拓時代直前のオレゴンカントリー、まだ州になっていない時代。アメリカンドリームを夢見る二人の若者の友情の物語
毛皮罠猟の集団に雇われていたクッキーは、ロシア人から逃げているという中国人キング・ルーを助ける。
その2年後、交易所で仕事を探していたクッキーは、キング・ルーに再会する。二人は、アメリカンドリームを求めてやってきたこの地で、今までの人生や今後の夢を語り合ううち、自然に意気投合する。
心優しいクッキーと、世界のあちこち旅をした経験豊富なキング・ルー
間の丸は、パンフの穴(牛の目)
この地に初めての雌牛がきた。当時は牛はアメリカにいなくて、街の権力者のステータスシンボルとしてやってきたのだった。
ポスターよりこの写真の方が好き
二人は、この牛のミルクを盗み、ドーナツを作って売る商売を始める。公益所は大勢の人が集まり、賑やかな町だった。ドーナツは大人気を博し、貯金も増えていった。
しかしこの幸運はいつまで続くのか、二人のアメリカンドリームは実現するのか。。
監督はケリー・ライカート。
現代アメリカ映画の最重要作家と評され、今、世界で最も高い評価を受けている。(そんなこととは知らんかった)
この映画は、公開されるや否や、絶賛に絶賛を浴び、世界中の映画賞で計157部門にノミネートされたそうな。(知らんかった)
いや、しかし、さもありなん、と感じさせる映画でした。
1月の後半2週間で3本。まあいいセンだわね。いい映画ばかりだったし(1本は勘定外)
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by sako375
| 2024-02-02 17:00
| 映画